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 ホーム > 旅人エッセイ > ●見えない未来を進む勇気
2005年07月24日
●見えない未来を進む勇気

インフォメーションセンターの人が言っていたとおり、週末もあって続々と人が集まってきた。

「フィヨルドを歩いて感じる」ために、前夜、ソグネフィヨルドプレーケストンの駐車場に入った。朝を迎えたときは広いスペースにポツンとさびしく一台きりだった。それが9時を過ぎたあたりから、1分ごとに車が入ってきて駐車場はすぐにいっぱいになった。

辺りは霧一面に覆われている。ボクらは晴れるのを待っていた。ところが、到着した人たちは、そんなそぶりも見せず、支度をして早々と登り始めていく。

「なんで、この霧の中、行けるの?」

不思議で仕方がなかった。だって、駐車場から空を見上げても何も見えないし、青空の気配もないからだ。この状態で登っても、眼下に広がるフィヨルドは見えないじゃないか。それだったら、もう一日待ったほうがいい。そう思っていた。

コーンフレークの朝食を摂っていたときに、隣にオランダ人夫婦のキャンピングカーが到着した。彼らも早々と準備を済ます。「君たちはまだ行かないのか?」「空が変わるのを、もう少し待っているんだ」そんな会話をして見送った。5時間ほど経ち、サンドイッチを食べていると、彼らは戻ってきた。汗をかき、ハァハァ言いながらも、満足気な表情だった。

「景色はどうだった?」「ビューティフル!海面は見えなかったけど太陽の日差しが素晴らしかった!」

この駐車場では太陽の雰囲気も感じない霧の世界なのに、頂上は違う世界なのだろうか?また不思議に思った。日本の百名山をいくつか登ったことがあるが、どの機会も、晴れで出発すれば晴れが続いたし、霧で出発すれば霧のままだった。「山の天気は変わりやすい」という言葉も、天候が荒れるというイメージの方が強く、天候がよくなるという気はあまりしない。

午前中に出発した人が徐々に戻ってくるようになって、ボクらの考えも変わってきた。まずは行ってみることにしよう。明日雨になるかもしれないし、それだったらフィヨルドの海面が見られなくても、頂上で太陽を浴びれたほうがいいだろう。今日が霧で何も見られなくて、明日晴れだったらもう一度登ればいい。ぜひとも、じっくりとフィヨルドを感じたいボクらはそんな想いで出発を決めた。

それでも、道中は霧だった。

ずっともやがかかっている状態だった。日も暮れてきたようだし、もしかすると太陽の日差しすら浴びれないかもしれない。そんな不安を抱いていた。明日、晴れることを期待して、もう一日登る心構えをしておこう。そこまで思っていた。

ところが、頂上まであと300メートルというところになって、霧が動き出した。眼下をのぞくと、淡いブルーの海面がちらりと見えている。
おぉ!

足早にプレーケストンにたどり着いたときには霧がすっかり晴れて、目の前にフィヨルドが広がった。

まるでボクらの到着を待っていたかのように、霧が左から右へ、すぅ〜と動いていく。「さぁ、じっくりとご覧なさい」とでも言っているかのようだった。これまで登ってきた道の方を振り返ると、やはり霧に覆われている。このプレーケストンの頂上だけが晴れている不思議な状態だった。

見たい光景が見られて、撮りたい写真が撮られて、大満喫で帰る途中に思った。

「先が見えないからといって、動かないことはやめよう」、と。

ボクらは霧で先が見えない中、動かなかった。多くの人が動いていく中、見送るだけだった。しかし見えない先には、動いた人だけが知ることができる世界がある。それは動かない人には決して見られない世界だ。出発地では想像もできないような世界なのだ。

未来が分かっていれば、悩みはないかもしれない。不安もないかもしれない。でも見えない未来だからこそ、自分の経験を振り返り、人に感謝し、対策を用意し、自分の力を試すことができる。実におもしろいことだ。

思えば、この世界一周旅行も未来を考えると何も見えていない。まったく霧の中だ。それでも、きっとこの先には何かが待っていると思う。そう信じたい。そう信じて、勇気を出して、動いていきたい。ボクはそんな生き方をしていきたい。

きょうさん♂



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