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2006年09月12日 |
●日本人ガイド中谷剛さん
中谷さんがアウシュヴィッツ博物館の専属ガイドをされていることは、二人とも世界一周旅行に出発する前から知っていました。ホームページで、そしてガイドブック「地球の歩き方」にもご紹介されています。
「アウシュヴィッツへ行ったら聴かせてほしい!」。
そう強く思ったきっかけは、今年の4月エジプトにいたころ。添乗員の大先輩monaさんから「中谷さんにご案内してもらうといいよ」と言ってもらった言葉でした。
ガイドさんのおかげで知識が深まることは、添乗員のころに感じていましたし、カイロの『エジプト考古学博物館』をmonaさん通じてあかねさんにご案内してもらったときにはつくづくそう思いました。
(せっかく行くんだから、知識を深めたい。。。)
ドイツのロマンチック街道を移動しているころに、中谷さんへメールを送らせてもらい、お忙しい中、すぐのお返事をいただいて、この日が実現したんです。
9月12日にアウシュヴィッツでガイドを聴かせてもらったんですが、当初は11日で予約をさせてもらっていたんです。それがせかたび号修理の影響でオーストリアのウィーンを出るのが遅くなり、予約時間に間に合わないという結果になってしまいました、、、
「日程変更」の連絡をしなければ・・・
そう思いながらも、オーストリアのユーロも、途中通ったチェコのコルナも、そしてポーランドのお金もなく連絡できず、、、やっとポーランドで換金できて電話をかけたときには、すでにガイド開始の時間。留守番電話へのメッセージに吹き込むしかできませんでした。
遅れること2時間半、アウシュヴィッツに到着。
中谷さんのその日のご案内が終わるころにお詫びをかねてお伺いすると・・・
「大丈夫ですよ。気にしないでくださいね!」
ガイドが終わった直後だというのに、疲れたそぶりを見せないどころか笑顔で迎えてくれるんです。ほんと恐縮でした。。。
同じ神戸出身の中谷さんは、ホームページの写真がやや古く?感じたからなのか、実際はさわやか体育会系!メールで人柄のよさを感じたとおり、とっても近寄りやすい人でした。旅のことも気にかけていただき大感謝です。
そしてご案内が聴ける日。
集まった日本人は学生さんを含めた9人。全員が30歳代以下。ガイド料金197ズウォティ(約7,500円)を9人でシェアして窓口へ支払い、中谷さんのガイドがはじまりました。
前半は「ARBEIT MACHT FREI」の正門があるアウシュヴィッツ第1収容所。後半は7倍の広さがある第2収容所ビルケナウへ、合計約3時間。
アウシュヴィッツで何が起こったのかをはじめ、そのシステムについて詳しく聴かせていただきました。
ガイドブックなどで事前に知っていたこと以上の話が聞けたことも印象的でしたが、もっと心に残ったことは、アウシュヴィッツの出来事は決して他人事ではないということ。
人間の心理に関することや、ヒトラー政権が生まれた経緯は日本と同じ仕組みなので、日本でも十分起こりうるんですね。
アウシュヴィッツには、ドイツやポーランドはもちろん、世界中から人が訪れています。絞首刑台のそばで、迫るソビエト軍に隠すため破壊したガス室のそばで、医者が人を選別した線路のそばで、ガイドさんの案内はつづいていました。
「歴史を繰り返さないために、歴史を学ぶことが大切」。
国籍を問わず、自分の国をよくするために、世界を平和にするために、アウシュヴィッツから何かを学びに来ているように見えます。
アウシュヴィッツに来る前から、(アウシュヴィッツを歩いたら、何を感じるんだろうか?)と気になっていました。
中谷さんのガイドを聴いて、ひとりの人間が感じることや思うことはそれぞれ違っていても、各自ができることはたくさんあるはず・・・そんなことを感じています。
中谷さんが言っていました。
「力(チカラ)を入れてないときのほうが伝わることもあるんですね」。
逆に気合いを入れすぎて伝わらないときもあるとか。人が何によって感じるかは、人それぞれに違うんですよね。それだけに、聴いたことだけでなく、自分が何を感じるか?そんな感情に耳を澄ませることも大切なんだと思います。
「僕はこう思う」、「私はこう思う」。
自分の意見が自由に言える今の世の中。これだけでも幸せなことなのかもしれません。
「問題意識を持ち、問題解決に努められるようになりたい」。
中谷さんに会えたおかげでそんなことを思っています。どうもありがとうございました!
●中谷剛さんの連絡先などホームページはこちらです。
せかたび夫婦
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