●オランダに捧げる日本歌
だいぶ前の話になるが、ノルウェーの首都オスロへ向かう車中、きょうさんが言った。
「外国人宅に招待されたときに、お礼に何がしてあげられるか?」と。私は悩んだ。
だって私たち夫婦は、人前でしゃべることは何ともないのだが、残念ながら人前でできる芸がない。日本出発前にも同じ話をしたことがあり、一度「南京玉簾」を勉強しようかとも考えていた。断念してしまったが・・・。
なぜ、そんな話になったかというと、ノルウェーで知り合ったオランダ人老夫婦に「オランダに来たときはうちに来なさい」と招待してもらえたからだ。
車を走らせながら、ふたりで考え、歌を唄うことに決めた。
「さぁ、何を唄おうかぁ?」
きょうさんは、「私たちの結婚式で唄った和田アキ子の『あの鐘を鳴らすのはあなた』はどうか?」と言ったが、どうもピンとこない。。。ウルフルズの「バンザ〜イ君に会えてよかったぁ」とか、「贈る言葉」、「乾杯」などなど・・・候補は上がるが決まらない。
いろいろ考えたあげく、中島みゆきの「時代」を唄うことに決めた。
♪旅を続ける人々は・・・ではじまる2番の歌詞。
いつか故郷に出会う日を
たとえ今夜は倒れても
きっと信じてドアを出る。
たとえ今日ははてしもなく
冷たい雨が降っていても
めぐるめぐるよ時代はめぐる
喜び悲しみ繰り返し
今日は倒れた旅人たちも
生まれ変わって歩き出すよ
ドイツ人のモニカファミリー宅に泊まらせてもらったときも用意はしていたが、タイミングがなく、唄えなかった。
今回のオランダ人宅では、出発する朝に、あいさつを兼ねて唄った。
でも、唄いはじめてすぐ涙声になってしまった。
この3日間、オランダ人パパとママは一般旅行者は知らない魅力的な場所やレストランに連れて行ってくれた。ほんのわずかな縁なのに、ここまで関わってくれたことがうれしくて、別れが寂しくて、泣けてきてしまった。
いっぱい練習したつもりだったのに、音程がくるい、あんまりうまく唄えなかった。
そんな泣きながらの私に、きょうさんも、もらい泣き。そして、オランダ人のパパとママも聴きながら泣いていた。
唄ったあと、歌の意味を説明していると、また泣いてしまった。
改めて、いい歌だと思う。
旅は楽しい。でも辛いときもたくさんある。せかたびは、オランダで10カ国目になった。
その間、いろんな人と出会い、別れた。悲しみがあり、喜びがあった。でも時代は巡る。だから、たとえ今すごく大変なときを過ごしても、きっと未来は笑っていると思う。
アムステルダムの街なみや、ロッテルダムの世界的な港の風景よりも、もっと忘れがたい人との出会いがあったオランダ。私たち夫婦は、これからも旅の楽しさをたくさんの人に伝えていきたい。この「時代」の唄のように・・・
たかさん♀
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今から二週間ほど前のこと。コーンフレークを食べながら、リーセフィヨルドプレーケストンの駐車場で霧が晴れるのを待っていた。
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トラックバック時刻: 2005年08月17日 18:51
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